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生成AIを悪用したサイバー攻撃が急増|2025年最新の手口と企業の対策

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生成AIを悪用したサイバー攻撃が急増|2025年最新の手口と企業の対策

2025年、サイバー攻撃の世界は「生成AI」の登場によって大きな転換点を迎えました。攻撃者がAIを武器に活用することで、従来の対策では防ぎきれない高度な脅威が急増しています。IPA(情報処理推進機構)が発表する「情報セキュリティ10大脅威2025」では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が脅威として取り上げられています。本記事では最新の攻撃手口と、企業が今すぐ取るべき具体的な対策を解説します。

生成AI悪用による攻撃が「標準化」しつつある現実

複数のセキュリティベンダーの調査によると、2025年に入り日本のユーザーを標的とする不正メールが急増しています。攻撃者は生成AIを使って自然な日本語のメールを作成し、金融機関などになりすましてログイン情報を窃取するケースが相次いでいます。従来はメール文中の不自然な日本語がフィッシングを見分けるヒントでしたが、AI生成の流暢な文章はその手がかりを奪っています。

さらに深刻なのが「ディープフェイク」を使った詐欺です。香港では、AIで企業CFO(最高財務責任者)になりすました攻撃により、約37億円もの被害が発生しました。音声・映像を精巧に偽造し、従業員を騙して不正送金させる手口は、もはや対岸の火事とは言えません。国内でも同様の被害が頻発する前に、組織的な備えが急務です。

2025年国内インシデントの実態

国内でも大規模なセキュリティインシデントが相次いでいます。大手企業がランサムウェア攻撃を受け、数百万件規模の個人情報流出リスクが生じた事例や、物流企業への攻撃が取引先のサプライチェーン全体に波及した事例は、社会インフラが揺らぎかねないリスクを改めて示しました。

警察庁の発表によれば、ランサムウェア被害報告は高水準で推移しており、攻撃グループも多様化しています。複数のセキュリティベンダーの調査でも、ランサムウェアの暴露サイトへの投稿件数が前年比で大幅に増加していることが確認されています。

AIが攻撃の「入口」を広げる3つの手口

①AIフィッシングメール:生成AIが自然な文体・文脈を理解したうえでメールを生成するため、従来のルールベース型フィルタリングをすり抜けます。標的型攻撃メールとしての精度が飛躍的に向上しており、検出件数も増加傾向にあります。

②AIジェイルブレイクによるマルウェア作成:2025年には国内でAIのガードレール機能を回避してサイバー攻撃自動化プログラムを作成したとして逮捕される事案が発生しました。高度な専門知識がなくてもAIを悪用すれば攻撃ツールを作れる現実が露呈しています。

③プロンプトインジェクション:生成AIに悪意ある指示(プロンプト)を注入することで、業務用AIが機密情報を外部に漏洩したり、悪質なリンクを回答に混入させる攻撃です。企業での業務利用が進むほど、この攻撃面(アタックサーフェス)は拡大します。

企業が今すぐ取るべき5つの対策

1. 多要素認証(MFA)の全社導入:認証情報の窃取は依然として初期侵入の主要ルートです。パスワード単体での認証は限界があり、MFAやパスキーの導入が不可欠です。金融庁も認証強化を求める方向で動いており、業種を問わず早急な対応が求められます。

2. 従業員へのAIリテラシー教育:AIで生成されたフィッシングメールや音声・映像の見分け方を訓練する「標的型攻撃メール訓練」を定期的に実施しましょう。攻撃者がAIを使う時代には、人的対策もAI前提にアップデートする必要があります。

3. 生成AIの業務利用ルール策定:従業員が機密情報や顧客データを生成AIに入力するリスクは見過ごせません。利用できるAIサービスの範囲、入力禁止情報の明示、ログ監視などを含む社内ポリシーを整備することが求められます。

4. ゼロトラスト・アーキテクチャの導入:VPN脆弱性を突いた攻撃やサプライチェーン経由の侵入が増加する中、「内部は安全」という前提を捨てた設計が必要です。すべてのアクセスを継続的に検証するゼロトラストへの移行が、中長期的なセキュリティ基盤となります。

5. インシデント対応計画(BCP)の整備と訓練:攻撃を完全に防ぐことは困難です。被害を受けた際にいかに早く事業を復旧できるか、バックアップ体制とBCPの実効性を定期的に検証することが、企業存続の観点から不可欠です。

まとめ

生成AIの普及は、攻撃者と防御者の双方に新たな力を与えています。しかし、最新の攻撃の多くは、MFA未導入・脆弱性の放置・社員教育不足といった「基本の甘さ」につけこんでいます。まずは基礎的なセキュリティ対策を徹底したうえで、AI時代の新たな脅威への備えを積み上げていくことが、今すべての企業に求められています。