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ゼロトラスト×SASE 2026|クラウド時代の脱VPN実装ガイド

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ゼロトラスト×SASE 2026|クラウド時代の脱VPN実装ガイド

2026年、ゼロトラストはクラウドセキュリティの「標準」になりつつある

かつては先進企業だけの話だったゼロトラスト。しかし今、状況は大きく変わっています。「何も信頼せず、すべてを検証する」というゼロトラストの概念は、企業セキュリティの事実上の標準として急速に普及しています。従来の「社内ネットワークは安全」という境界型セキュリティモデルは通用しなくなり、ゼロトラストモデルへの移行が加速しています。

Gartnerは、大企業の10%が2026年までに成熟した測定可能なゼロトラスト・プログラムを導入すると予測しており、2023年時点の1%未満から大幅な増加が見込まれています。この急拡大の背景には、クラウド活用・リモートワークの定着・AIサービスの急増という複合的な環境変化があります。

ゼロトラストとSASEの違いを整理する

現場でよく混同されるのが「ゼロトラスト」と「SASE(Secure Access Service Edge)」です。両者はクラウドを活用するという点で共通していますが、本質的な役割は異なります。ゼロトラストが「判断原則」であるのに対し、SASEは「ネットワークとセキュリティ機能の統合・提供形態」に近く、SASEを導入しただけでゼロトラストが完成するわけではありません。

ゼロトラストモデルとは、デバイスやアクセスを「信頼せず、常に検証し、侵害を前提に備える」という考え方です。SASEはそのゼロトラストアーキテクチャにおける重要な実装要素であり、デジタルID・リアルタイムのコンテキスト・組織のポリシーに基づいて認証・アクセス制御を行います。

つまり、ゼロトラストは「思想・原則」であり、SASEはその原則をネットワークとセキュリティを統合したクラウドサービスとして具現化するフレームワークです。両者を組み合わせることで、初めて実践的なゼロトラスト環境が構築できます。

Gartnerが示す完全ゼロトラストの2戦略

Gartnerは「ゼロトラスト導入に向けた戦略的ロードマップ」において、完全なゼロトラストアーキテクチャを実現する2つの統合戦略として、マイクロセグメンテーションSASEを明確に位置づけています。これら2つを組み合わせることで、より完成度の高いゼロトラスト環境が実現されるとされています。

  • マイクロセグメンテーション:ネットワーク内部を細かく分割し、侵入後の横展開(ラテラルムーブメント)を防止する
  • SASE:SD-WAN・CASB・SWG・ZTNAなどを統合し、クラウドサービスとして一元的にセキュリティを提供する

ゼロトラスト実装の6本柱と脱VPNロードマップ

2025〜2026年にかけてのゼロトラスト実装を構成する要素は整理されてきました。SASE/SSEの主流化・AI駆動の異常検知・生成AI利用ガバナンスが加わり、ゼロトラストの構成要素は「IDaaS/EDR/SASE/CASB/DLP/SIEM」の6本柱で再整理されています。

脱VPNへの実践的なロードマップも具体化されています。段階的なアプローチとして、最終フェーズではSASE(Zscaler、Cloudflare Zero Trustなど)またはZTNAサービスでVPNを置き換え、ユーザー単位・アプリ単位の最小権限アクセスを実装します。あわせて社内ファイルサーバーをクラウドストレージへ移行し、VPN自体を不要にしていくことが望ましい姿とされています。

AI×ゼロトラスト:高度化する脅威と最新の防御策

ゼロトラストの重要性を一段と高めているのが、AIによるサイバー攻撃の高度化です。近年のサイバーセキュリティは「AI vs AI」の構図が鮮明になっており、攻撃側のAIが防御を回避するために進化し、防御側のAIがそれを検知するためにさらに進化するという「軍拡競争」は今後も加速する見込みです。

またゼロトラストの原則の一つである最小権限アクセスにおいては、業務に必要な最小限のアクセス権のみを付与し、Just-In-Time(JIT)アクセスを活用することが標準的な実装として定着しつつあります。生成AI(ChatGPT・Claudeなど)への機密データ入力を検知・ブロックするポリシーの整備も必須となりつつあります。

まとめ:ゼロトラスト移行を始める3つのポイント

ゼロトラストへの移行は、一度で完成するものではありません。段階的なアプローチが成功の鍵です。

  1. IDの棚卸しから始める:すべてのユーザー・デバイス・アプリケーションを可視化し、IDaaS(Microsoft Entra ID、Oktaなど)で統合管理する
  2. SASE/ZTNAで脱VPNを段階的に進める:業務システム単位でZTNAへ切り替え、最終的にVPN利用者を限定・廃止する
  3. ログ監視とインシデント訓練を習慣化する:SIEM連携によるリアルタイム検知と定期的な机上訓練で運用を定着させる

クラウドサービスの普及・リモートワークの定着・IoTデバイスの増加により、従来の「境界防御型」セキュリティでは十分な防御が困難な時代を迎えています。ゼロトラストへの移行は今や経営課題です。まずできる範囲から第一歩を踏み出しましょう。